2013
10.21

クラウドソーシング市場規模の推移と予測~流通総額・2012年実績~2017年に15倍に拡大~

ニュース/トピックス, 調査/統計

do_bpo02_CS市場規模の推移と予測(矢野経済)

do_bpo01_BPO市場規模の推移と予測(出典:矢野経済研究所)

矢野経済研究所は2013年10月10日、国内のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場およびクラウドソーシング市場に関する調査結果を公表した。BPO市場は年平均成長率2.5%で推移し、2017年度の市場規模は3兆7439億円と予測。また、クラウドソーシング市場は年平均成長率79.3%で成長し、2017年度の市場規模は1474億円市場に達すると予測している。
これらの数字を概数化すると2012年のクラウドソーシング流通総額と比較した5年後の2017年には約15倍近い成長遂げる計算になる。
今後は、業界各社が積極的に取り組んでいる広報、法整備、発注企業への啓蒙・支援活動などがより重要性を増すものと見られる

●調査要項について以下の通り。(矢野経済研究所より引用)
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の BPO市場、クラウドソーシング市場の調査を実施した。
1. 調査期間:2013年4月~9月
2. 調査対象:SIer、コールセンター事業者、印刷会社、倉庫会社、コンサルティング会社などのBPO市場参入事業者、人事系、経理系、医療系、オフショア系などの BPO事業者、クラウドソーシング事業者
3. 調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・Eメールによる取材、ならびに文献調査を併用
<BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは>
本調査における BPO とは、通常企業内部にて行われるシステム運用管理業務、コールセンター系業務(コンタクトセンター、ヘルプデスク、フルフィルメント)、間接部門系業務(人事、福利厚生、総務、経理)、直接部門系業務(購買・調達、営業、コア部門単純業務、業界固有業務)などの業務を顧客企業から業務委託を受けて代行するサービスを指す。
但し、従来から外部に委託することが一般的な、税務、物流、情報システム開発、ビルメンテナンスなどの専門的な事業所向けサービスに関しては対象外とする。
<IT系 BPO、非 IT系 BPO とは>
本調査におけるBPOの内、IT系BPOとは顧客企業からシステム運用管理業務を委託され代行するサービスとし、非IT系BPO とはその他の業務を委託され代行するサービスとする。
<クラウドソーシング(crowdsourcing)とは>
クラウドソーシングとは、インターネットを介在として、業務委託者側である企業等と業務受託者側である不特定多数の労働者等とのマッチングを図るサービスを指す。本調査におけるクラウドソーシング市場規模は、クラウドソーシングシステム上での業務委託企業による仕事依頼金額(成約に至らなかった仕事の依頼金額も含む)の総額から算出した。

●クラウドソーシング市場概況
• 2011年の東日本大震災以降から在宅ワークやテレワーク(IT を利用した場所や時間にとらわれない働き方)への需要が高まり、場所と時間を選ばないで働くことができるクラウドソーシングが急速に浸透し始めており、多種多様な人材がクラウドソーシングシステム上に労働者として登録するようになってきている。一方、業務の委託者側である企業にとっても必要な時に必要なだけの労働力を得ることができるクラウドソーシングを使い勝手の良いサービスとして利用するようになってきている。業務の受託者側である労働者と委託者側である企業の双方にメリットのある形のサービスであるため、クラウドソーシングの利用は今後も拡大し、高いペースでの成長が続くと予測する。
• 2013 年度のクラウドソーシング市場規模(クラウドソーシングシステム上で依頼された仕事の総額〔成約に至らなかった仕事の金額も含む〕)は、前年度比 230.9%の 246億円となる見込みである。
• クラウドソーシング市場は、2011 年度から 2017 年度までの年平均成長率(CAGR)は 79.3%で推移し、2017年度には、1,474億円(仕事依頼金額ベース)に達すると予測する。