2019
04.15

フィリピンから海外展開へ「199jobs」CEOインタビュー ~ローカル企業へのアプローチから海外拡大へ~

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フィリピンから海外展開へ「199jobs」CEOインタビュー~ローカル企業へのアプローチから海外拡大へ~

今回、フィリピン発祥のクラウドソーシング「199jobs」のCEO Fitz Villafuerte にインタビューする機会を得た。創業期の課題と解決・今後の展望を中心に話を伺った。

199jobs_CEO

199jobsは、フィリピン発祥のワークマーケットプレイスとして知られている。記事作成、カスタマーサポート、ソーシャルメディアの管理、マーケティング、バーチャルアシスタント、デザイン、ウェブサイト制作など多数発注可能となっている。
創業期、ローカル企業へのアプローチから始まった小さな試みは、国境を越えて中東へも広がろうとしている。共同設立者であるFitz Villafuerte氏のこれまでの取り組みは何だったのか。

創業の思い

―今日はインタビューを受けてくださってありがとうございます。199jobsを設立された経緯について教えてください。

199jobsの共同創業者でもある私とGlenn Santos(以下Glenn氏)は、199jobs設立前からオンラインフリーランサーとしてそれなりの収益を得られていました。当時の私たちは、ビジネスが大きくになるにつれて、フィリピン人もオンラインフリーランスの恩恵を受けられるのではないか。と考えるようになりました。そこで、2012年に私とGlenn氏で199jobsを設立しました。私たちのモチベーションは、第一に「フィリピン人の収益向上」・第二に「フリーランスキャリアをフリーランスビジネスに転化すること」でした。

 

創業期は発注者の開拓に奔走

― 7年の歴史がありますが、その間には多くの課題があったと思います。それらをどのように乗り越えてきましたか?

最初の課題は発注者(バイヤー)を見つけ・育てることでした。フリーランサーを見つけるのは難しくなかったのですが、upworkやfreelancersのように有名なクラウドソーシングがすでに存在していたこともあり、当社への発注者を見つけるのは簡単ではありませんでした。フィリピンのローカル企業はアウトソーシングを検討していなかったので、私たちはローカル企業を199jobsへ誘いました。例えば、facebookやinstagramを扱うレストランはSNSをあまり使っていませんでしたので、そのSNSのマネジメントをフリーランスにアウトソーシングしたらどうですか?と話を持ち掛けました。このような仕事をフリーランスへ紹介することで最初の課題していきました。

199job_web

今後の展開は海外強化。「中東」に注目。

―クラウドソーシングや199jobsの将来性についてはどのように考えていますか?

 

海外展開しようと思いますが、地域は東南アジアではなく中東になりそうです。中東にはフィリピン人労働者が多数住んでいます。彼らの多くは仕事を終えるとすぐに帰宅し、オンライン(就業可能な状態)になれます。そんな彼らに収益の機会を提供したいと思っています。また、マニラに拠点があるので、フィリピン南部へもビジネスを展開しようと思っています。南部の中小企業はオンラインでのアウトソーシングをしておらず、多くのマニュアルタスクを抱えているからです。中東のフィリピン人コミュニティと連携してフリーランスの人数を増やし、フィリピンでビジネスを拡大していくことで受注を増やしたいと思っています。

クラウドソーシングの将来については、フリーランスの人数は今後数年間伸びていくという報告を受けています。グローバル経済により国際協業の機会が増えており、フリーランサーにとっては良い傾向だと思います。

―中東のクラウドソーシングについては興味深いですね。彼らは独自のプラットフォームを作ろうとしているのでしょうか。

調査を通じて中東在住のフィリピン人の多くが199jobsに興味を示してくれました。中東に住むフィリピン人たちは仕事から帰ると自宅で過ごしているのでたので、彼らにワークの機会を与えたいと思っています。

―今日はインタビューに応じていただき、どうもありがとうございました。

 

インタビュー後記

2012年当時、すでにオンラインでのフリーランサーとして活躍していたというCEOのFitz Villafuerte氏。当時まだクラウドソーシングやオンラインで働くという情報がフィリピン内でも少なく、いち早くフィリピンでサービスを立上げ、フィリピンのワーカーに貢献しようと開始したサービスだという。今後、海外展開も視野に入れており、非常にオープンな態度で協業も検討するとのこと。今後の展開にも引き続き注目していきたい。

取材日:2019年3月

取材・インタビュー:hongou

編集:n.takai