タスクトランスファーのクラウドソーシング企業「Taketask」CEO「ネットワーキング効果から学ぶ」

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タスクトランスファーのクラウドソーシング企業「Taketask」CEO「ネットワーキング効果(※1)から学ぶ」

※1 ワーカー、タスク、クライアントのトライアングルから成るスタートアップのビジネスモデル。詳細については後述する。

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ポーランドでタスクトランスファーのクラウドソーシングを展開するTaketask。プラットフォームの管理人数は0人というユニークなクラウドソーシング企業である。環境の構築をテーマにクラウドソーシングビジネスをポーランドで展開させてきた経緯を、CEOのStarzyński氏が語った。

1.タスク配分のクラウドシステムを構築

マーケットリサーチ会社で小売関係の調査業務を経営していたStarzyński氏。2015年から2016年にかけて、Starzyński氏は大学教授と共にレポートを執筆していた。当時のポーランドではクラウドソーシングを扱う会社が現れていたため、自身のリサーチ会社をクラウドソーシングで破壊しようと考えていた。2016年にはTaketaskから訪れた二人の人物と出会い、協業の話をもちかけられたこともあり、らクラウドソーシングビジネスへ着手し始めた。

「社内でタスクを従業員へ配分するタスクマネジメントソフトウェアの開発に取り組みました。これにより企業内でタスクを従業員へ配分するシステムを構築できました。クラウドソーシングでよく見られるのは、まずタスクを作成してクラウドへ依頼し、レスポンスを待つ流れです。同様のアプローチを企業内で行いました。しかし、当初はお客様がクラウドソーシングのダイナミクスやプロセスを知りませんでした。そこで私たちは、お客様をクラウドソーシングのシステムに取り込むアプローチを考えました。お客様側でそのタスクを知る必要があったからです。当社と競合他社との大きな違いは、クラウドソーシングのエージェントに連絡するのではなく、お客様自身のクラウドソーシングを当社プラットフォームで始めることができるという点にあります。(Starzyński氏)

Airbnbのようなマッチングサイトではレビューを含む評価システムが導入されているが、Taketaskが提唱するのはタスクのマーケットプレイスだとStarzyński氏は述べる。

「プラットフォーム上のタスクが異なるので、当社では評価システムを使っていません。パフォーマンスの高いワーカーがいる一方で、低価格で受注するワーカーもいます。発注側としては相見積をして最も安価なワーカーへの発注となります。協業エコノミーでは金額ではなくクオリティを優先すべきなので、これはあまり良くないと思っています。この考え方は西ヨーロッパとは異なるかもしれません。

独立したタスクマーケットプレイスの構築

まず着手したのは、アプリケーションの開発です。当社には13名のプロディーサーがおり、独立したシステムを作りました。個々のシステムでタスクのマーケットプレイスが構築されているわけです。重要なのは、それぞれのクラウドが異なり、それらをタスクのマーケットプレイスクラウドとして関連付けている点です。」(Starzyński氏)

2.プラットフォームの管理人数は0人「プラットフォームの監視が不要なシステム」

「当社の特徴は、プラットフォームのモニタリング(監視)が不要ということです。プラットフォームのルールメイキングなどのマネジメントは行いますが、原則としてはタスクトランスファーの環境を構築し、企業が自社でクラウドを構築する機会を提供しています。従業員数は13人ですが、クラウドを管理する担当者は0人です。(Starzyński氏)

クラウドの環境構築に注力してきたTaketaskは、課題としてクライアントの存在を挙げている。マーケットプレイスでは、個々の企業がタスクトランスファーのクラウドを作りたがる傾向が強まっているからだ。

「当社はクラウドソーシング企業ですが、クラウドそのものに深くは関われません。例えば、日本や南アフリカのクラウドソーシングをマネジメントするのは困難です。その関係でマーケットリサーチ会社に委託することもあります。特定のクラウドソーシング事業をプロディーサーが担当し、彼らが事業者と直接コンタクトをとります。企業によってはクラウドファンディングで資金を集めます。プラットフォームを当社が提供し、それによりクラウドの参加者同士が関わり合う仕組みです。(Starzyński氏)

3.ポーランドのクラウドソーシング

ポーランドでは、2008年から2009年にかけてグラフィック・広告業界で企業の倒産や職員の解雇が増加していたため、大手企業がデザイナーへ業務を発注する動きが高まった。これがクラウドソーシングの始まりとなった。

「西ヨーロッパと比較すると、ポーランドのクラウドソーシングはさほど成長していません。低賃金が原因です。基本給とクラウドソーシングの賃金ギャップが大きい場合、クライアントは容易に見つかりますが、ワーカーによっては稼ぎが大きいこともあり、追加業務を行える人物を見つけるのが困難です。西ヨーロッパでは、これがクラウドソーシングの課題となっています。一方で、基本給とクラウドソーシングの賃金ギャップが小さいと、追加業務を発注できるワーカーを見つけるのは簡単ですが、マーケットリサーチ、商社、広告などの分野で他社との競合が難しいです。クラウドソーシングより基本給が低ければ、自社でタスクを完了できてしまいます。日本ではあまり見られないでしょうが、ポーランドではこれが普通です。(Starzyński氏)

インタビュー後記

人件費の低さというポーランド固有の課題と向き合いながらクラウドソーシングビジネスを進めてきたStarzyński氏。ビジネスのスタートアップでは、ワーカー、タスク、クライアントのトライアングルから成るネットワーキング効果の重要性を述べている。

「大事なことは、クラウドソーシングやマーケットプレイスのネットワークから学ぶことです。ネットワーク上では、異なるワーカー、タスク、クライアントの3つのバリューがマーケットプレイスを通してつながります。また、自社開発や購買を通じて有効なテクノロジーを持つ決断も重要です。」(Starzyński氏)

タスクトランスファーの環境構築という独自の路線でクラウドソーシングビジネスを続けてきたTaketask。今後はグローバル化が進むにつれ、ポーランドの人件費も東アジアのように上昇し、マーケットの状況が大きく変化する可能性もある。今後の展開にも引き続き注目していきたい。

取材日:2019年5月

取材・文章:hongou

編集:n.takai


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  • 最終更新日:2019年8月8日 16時02分

ロベルト

神奈川県秦野市生まれ。国際協力業界で営業、総務、リスク管理業務、観光業の活動に携わり、北米、中南米、ヨーロッパ、アジアの約30カ国を経験。現在は海外著名人へのインタビュー、海外ニュースの紹介などを幅広く取り上げています。(日本語、英語、スペイン語)