クラウドソーシングフロントランナー「InnoCentive」CEO「信頼できるパートナーを見つけることが重要」

LINEで送る
Pocket

innocentive_capture

クラウドソーシングフロントランナー「InnoCentive」CEO「信頼できるパートナーを見つけることが重要」

NIK_1139_hs

2001年に設立されたInnoCentiveは、学術分野からテクノロジー業界に至る幅広い分野で顧客へソリューションを提供するクラウドソーシング企業である。プラットフォームにはソルバーと呼ばれる登録者が約400,000人在籍し、コンペ形式とチームワークによって課題解決に努めている。クラウドソーシングという用語が存在しなかった時代に設立され、グローバル企業まで成長した源泉は何だったのだろうか。

1.パラレルクリエイティビティ

「以前は製薬会社に勤めていました。製薬のソリューションを模索する上で、1人だけのナレッジ、経験、アプローチには限界があるため、多数の人間が一つの課題解決に同時に取り組むパラレルクリエイティビティが必要だと思っていました。10人、100人、1000人というスケールでパラレルのソリューションを生む考え方です。この経験が後のクラウドソーシングにつながりました。」(Bingham氏)

InnoCentiveが設立された2001年には、クラウドソーシングという用語そのものが存在せず、2006年にJeff Howe氏がWired誌(※1)でクラウドソーシングを発表してからも、その後も業種そのものを定義するのが難しかった。これはInnoCentiveに限らず、世界中でクラウドソーシングのスタートアップを経験した企業が一度は直面した課題だった。

「設立当初には多くの課題がありました。2001年~2007年頃まで、そもそもクラウドソーシングを理解している人がいなかったため、クライアントへ説明しなければいけませんでした。業務としてはクライアントにクラウドソーシングを伝えるところから始まり、自社商品をそれまで存在しなかったマーケットプレイスで販売しようとしていたわけです。これが大きなチャレンジでした。また、当社ではSalesforceなどの商用ツールや会計システムを使っていますが、創業時にはクラウドソーシングのソフトウェアツールはありませんでした。そのため、自社のツールを作り、クライアントサービスの管理と世界規模のチャレンジに取り組み始めました。」(Bingham氏)

2.グローバルに活動するフロントランナーとして

innocentiv_top

InnoCentiveのプラットフォームに登録しているソルバー(課題解決のワーカー)は、400,000人。ソルバーのほとんどはハイレベルの学位を持ち、研究分野の内外でチームを形成したり、個人でも活動しながら課題解決に取り組んでいる。プラットフォームはチームワークのコンペ形式となっているのが特徴だ。

「2001年以降、クライアントにクラウドソーシングについて説明する機会が多かったため、業界用語に関してはエボリューションがありました。潜在顧客が既にコンセプトを理解しているため、説明も容易になりました。ただ、競合他社はリージョナルなレベルに留まっていますが、InnoCentiveは常にグローバルに活動しています。」(Bingham氏)

3.成熟した産業セクターで幅広いサービスを展開

「当社としては、クライアントへアイディアを提供するだけでは不十分で、クライアントが自助努力で解決できるように別のプラットフォームとのパートナーシップも検討しています。将来はマーケットプレイスの成長に伴い、クライアントへ幅広いサービスを提供していきたいと思っています。これは成熟した産業セクターではよくみられる傾向です。」(Bingham氏)

日系企業との協業経験も持つBingham氏は、信頼できるパートナーを見つける重要性を述べている。クライアントは信頼できるパートナーを探しているため、ネットワーク上でクライアントとパートナーのマッチングを可能にしている点で、クラウドソーシングはオープンイノベーションと呼ばれている。したがって、信頼できるパートナーはマッチングを可能にする幅広いネットワークを持てるだろう。テクノロジー業界で絶えず変化する情報や変化にキャッチアップするためにも他者との付き合いは重要だとBingham氏は続ける。

「クラウドソーシングとマシンラーニングに関する記事が出たときは、周囲とのネットワークのおかげですぐに知ることができました。その点では、人とのコミュニケーションにより自社のフィールドで何が重要なのかを知ることができます。当社では400,000人のソルバーがプラットフォームに在籍しているため、その分多くの情報を引き出し、広い分野でソリューションを得られます。InnoCentiveのプラットフォームへ疑問を投げかければ、誰かがソリューションを生むことができます。これは製薬業機、エネルギー業界、テクノロジー業界で課題が見つかった場合でも繰り返し起こってきたことです。」(Bingham氏)

インタビュー後記

2001年の創業時からクラウドソーシングのフロントランナーとして知られてきたInnoCentive。CEOのBingham氏は、信頼できるパートナーの重要を繰り返し述べていた。今後はグローバルレベルでクラウドソーシングのパートナーシップがさらに広がっていくだろう。今後の展開にも引き続き注目していきたい。

取材日:2019年5月

取材・文章:hongou

編集:n.takai


■ Crowd Power Partners株式会社について■

Crowd Power Partnersは翻訳クラウドソーシング、海外デスクリサーチ、メディア運営を軸に 企業の課題解決を支援している会社です。

クラウドパワーパートナーズ株式会社

「個」が活躍する時代クラウドソーシングを経営戦略に組み込む。 大手企業から新進ベンチャー企業まで、多くの企業を支援している実績があります。

Crowdhonyaku.Com

翻訳トライアル合格者2,000人がスタンバイするクラウドソーシング型の翻訳サービスです。 語学力ある人材ネットワークを活用して、手軽に翻訳・ライティング・デスクリサーチを ご利用頂けます。

お気軽にお問い合わせください。

banner62d-03
  • 最終更新日:2019年8月8日 15時52分

ロベルト

神奈川県秦野市生まれ。国際協力業界で営業、総務、リスク管理業務、観光業の活動に携わり、北米、中南米、ヨーロッパ、アジアの約30カ国を経験。現在は海外著名人へのインタビュー、海外ニュースの紹介などを幅広く取り上げています。(日本語、英語、スペイン語)