配送クラウドソーシング、リターンクライシスを解決できるか?~米国・配送クラウドソーシングに期待されるのは、「単なる配送ではなかった」~【中編】

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配送クラウドソーシング、リターンクライシスを解決できるか?
~米国・配送クラウドソーシングに期待されるのは、「単なる配送ではなかった」~【中編】

1.配送クラウドソーシングの今

米国のラスト・マイル・デリバリーの市場規模は2023年に650億ドル以上に達すると言われている(2018年、Mordor Intelligence調べ)。このラスト・マイル・デリバリー市場(2017)の80%のシェアは米国にあるとされ、顧客の23%が即日配達を希望している。その中でも史上初の「オン・ザ・ウェイ」デリバリーサービス会社として知られるRoadie社は、米国全州で120,000人のドライバーとともに、即日配達の分野で米国世帯全体の89%に配達を続けてきた。配送クラウドソーシングは主に米国で実施されていると思われがちだが、日本でも運用が始まっている。中編では日本の事例を併せて見てみたい。

※ラスト・マイル・デリバリーとは、物流業界において最後の配送拠点とエンドユーザーを結ぶ区間を指し、その市場(2017)の80%のシェアは米国にあるとされ、顧客の23%が即日配達を希望している。

※オン・ザ・ウェイとは、配達先の方向へ向かおうとしているドライバーが依頼人から荷物を預かり、目的地まで送り届ける配送サービスを指す。これにより、今すぐ荷物を届けてほしい人が、アプリケーションを通じて近くにいるドライバーを探し、配達を依頼することができる。

※クラウドソーシングとは、企業や個人がオンライン上で不特定多数の群衆に業務を発注(アウトソーシング)する業務形態を指す。

2.日本の配送クラウドソーシング

配送クラウドソーシングは日本の宅配クライシスを解決する一石となるだろうか?EC業界が急成長するにつれ、ラスト・マイル・デリバリーの現場では、顧客によるオンデマンドのニーズが高まる一方、宅配業者の人数不足・値上げが課題として挙げられてきた。現在のネット世代が高齢世代に突入した場合、店頭ではなくインターネットによる購買が増加し、受取場所のほとんどが自宅となる可能性がある。また、拍車をかける等に即日配達や再配達の即応性も問われ続けるだろう。

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日本ではクラウドソーシングという言葉はなじみが薄いかもしれない。しかし、DIAq(配送クラウドソーシングアプリ)にもみられるように、配送業界ではクラウドソーシングを用いたビジネスが生まれている。DIAqは、いますぐ荷物を届けてほしい人が、近くにいるドライバー、ライダー、メッセンジャーを探して配達を依頼するためのアプリだ。現在の配達可能地域は東京23区に限定されているが、超高齢化社会を迎える日本では、地方都市でも即日・深夜・休日のラスト・マイル・デリバリーのニーズは高まってくるだろう。

3.日本のラスト・マイル・デリバリー

日本のラスト・マイル・デリバリー市場で、クラウドソーシングの配送ビジネスは産声を上げたばかりである。地域によっては潜在的な市場が見込めるという見方もあるが、同時に日本特有の課題が存在するのも事実である。例えば、日本では車両を商用目的で使用する際に貨物自動車運送事業法に基づく許可が必須となるため、乗用車による配送を検討しているフリーランサーにとっては手続きが煩雑となることから一つの参入障壁となるだろう。なお、自転車と125cc以下の原動付自転車は登録が不要である。この法整備の課題はドライバーが運べる荷物のサイズに大きく関わっているため、配送型クラウドソーシングのビジネスモデルを設計する上では、法律面の理解が必要となる。
日米の環境は異なるが、クラウドソーシングが日本の配送業界で新たな市場を生む可能性はある。ビジネスモデルに正解はないため、スタートアップの段階では海外の事例を参考にした分析と検証が求められるだろう。特に、Roadieは米国の配送クラウドソーシングを手掛けるトップランナーとして知られている。事例研究の積み重ねが、業界を悩ませる宅配クライシスや人材不足の解消に寄与するかどうか、引き続き注目していきたい。

調査・引用

Roadie Gains $37 Million to Expand Crowdsource Delivery Business
https://www.wsj.com/articles/roadie-gains-37-million-to-expand-crowd-source-delivery-business-11551092400

The Last mile Logistics whitepaper, 2018
https://localz.com/wp-content/uploads/2018/02/Localz-Last-Mile-Logistics-White-Paper.pdf

Last Mile Delivery Market in North America – Growth of E-retailing to Boost Growth| Technavio
https://www.businesswire.com/news/home/20180426006828/en/Mile-Delivery-Market-North-America—Growth

Last Mile Delivery Market in the United States – Segmented by Service Type – Growth, Trends, and Forecast (2018 – 2023)
https://www.mordorintelligence.com/industry-reports/last-mile-delivery-market-in-the-united-states

【宅配クライシス】ヤマト運輸・日本郵便・佐川急便だけでは限界か

https://ecnomikata.com/ecnews/19104/

配送クラウドソーシングアプリ | DIAq(ダイヤク)
https://www.dia-9.com/

 

作成日:2019年3月/執筆:hongou/編集:n.takai


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ロベルト

神奈川県秦野市生まれ。国際協力業界で営業、総務、リスク管理業務、観光業の活動に携わり、北米、中南米、ヨーロッパ、アジアの約30カ国を経験。現在は海外著名人へのインタビュー、海外ニュースの紹介などを幅広く取り上げています。(日本語、英語、スペイン語)